学校情報化の落とし穴 Vol.15

2005年6月7日

■ ネットワーク監視

パソコン歴三年のN先生。ネットを利用したパソコンの利用にも慣れてきた。仕事の合間にネットショッピングをしたり,こっそりファイル交換ソフトをインストールして映画もダウンロードしていた。

200X年3月21日に校長室まで来るようにとの連絡があった。校長室に入ったN先生は校長から勤務時間中の行動について詳細に聞かされた。

先生は2月12日14:03~14:33,2月17日10:23~10:55,2月22日9:14~10:01,3月1日16:00~17:30,3月6日11:20:~12:21,3月11日11:02~11:13,3月16日12:53~13:16ネットショッピングをされていますね。さらに2月29日からはファイル交換ソフトの使用を始められている。

また昨日は8:42~9:31まで卒業生の進路状況一覧を Excel で作成されて,10:42~11:21はアダルトサイトをご覧になっています。12:31には今週末のお友達との映画の約束の私的なメールをされているようですが,これは勤務時間外なので大目に見ましょう。13:22~15:36はワープロで現在の二年生の来年度のクラス分けの希望調査の文書を作成されていますが,提出して頂いた文書を見ると時間がかかりすぎです。これ位の文書なら30分あれば作成できるはずです。その後も校長は,N先生の勤務内容について詳細に話し始めた。


■ 教訓その15

職務専念義務に違反してはいけない!

あなたは「エネミー・オブ・アメリカ」という映画をご覧になったことがあるだろうか?。ウィル・スミス演じるディーンが,ひょんなことからアメリカの諜報機関 NSAの監視網(スパイ衛星・監視カメラ・盗聴器・衛星追跡装置)を使って徹底的に追跡されるというストーリーである。

ネットワーク社会の現在,その気になれば職員一人ひとりの業務内容を監視するのは容易いことである。情報漏洩などの不祥事や勤務に関係のないネット利用が後を絶たない現在の状況では監視も強化されていくことが予想される。

監視される社員たち~進む情報流出対策~(NHKクローズアップ現代,2004年11月25日)

外部向けメール、上司にも届きます~!? 私用防止(2006年5月2日)
部下のメールを毎日監視 情報漏えい防止で滋賀県(2006年4月11日)
勤務中の競輪サイト接続、伊豆市職員14人処分(2006年3月1日)
公用パソコンから競輪サイト、アクセス1千回超 伊豆市(2006年2月22日)
最高裁判決:勤務中にメール 「解雇は妥当」が確定(2006年1月20日)
業務中にわいせつ画像見る JR西が25人処分 (共同通信)(2005年12月28日)
セクハラ:愛知教育大の男性職員、職場でアダルト閲覧(2005年12月16日)
職場でのネット私用にご用心(Hotwired JAPAN,2005年12月9日)
社保庁の「のぞき見」は1500人以上(2005年12月5日,朝日新聞)
中学職員が勤務中に株売買 サイトに917時間接続(2005年11月17日)
高校野球賭博:国土交通大学職員16人を書類送検,勤務時間中に業務パソコンとLANを使用(2005年10月14日)

データをコピーしようとすると警報がなるシステム CWAT
統合内部情報流出防止システム WaterWatch
セキュリティ管理/モラル向上/リテラシー管理

「社員監視ツール」、その実力を探る
そのメールちょっと待った~!!

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