2003年11月初稿
さて宵ヤマの出発地点は「基本的には」市内中心部にある「呉服町アーケードの大手口側を出た所」である。唐津曳山取締会が配布している「唐津くんち曳山巡行コースと予定時刻」のチラシにもそう書いてある。しかし「基本的には」と書いたのには訳があって一部の曳山(鯛など)はココからは出発しない。つまり「宵ヤマ出発地点」にいても全ての曳山を見ることは出来ない。鯛は「宵ヤマ出発地点」から少し進んだ所(ベスト電器唐津店そばの交差点 ベスト電器が移転してしまったので2007年9月現在は千代田町交差点そば)で合流する。宵ヤマで14台すべてを撮影しようと思うなら「宵ヤマ出発地点」からかなり先に第一撮影ポイントを設定しよう。
次は撮影である。最優先は「出来るだけ曳山に近づける場所」である。光量不足を補うには近づくしかない。曳山が巡行するコースの中には車一台しか通れないような狭い道もある。例えば水主町・大石町・平野町・新町・江川町などである。そのぶん曳山に近づけるのでうまく撮影出来るかもしれない。さらに私は「背景に駐車場などの広めのスペースがある」場所を探している。見物客が写るのは仕方がないとしても家屋などが写って背景がごちゃごちゃするのは嫌だ。背景に家屋などがなければ黒く写って背景がすっきりする。また同様の理由で橋の上での撮影もお勧めする。
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通常は曳山は歩く程度の速さで巡行している。また駆け足程度の速さで巡行するときもあるので外部ストロボを使っても被写体ブレするときがある。しかし希に自分の目の前で曳山が停止してくれる場合もある。前の曳山との間隔が詰まってしまった場合や休憩ポイント(曳山によって場所は違う)に来たときなどである。こういったときは千載一遇のチャンスである。低速シャッターでも被写体ブレしないで撮影出来るかもしれない。多めの枚数まとめ撮りしておこう。
ただし宵ヤマは19:30~22:00と,11月3・4日に比べて時間が短いので停止する場所はほとんどない。しかし各曳山は自分の町内では「必ず」停止する。
2003年の唐津くんちは珍しく寒くなかった(というより暑いくらいだった)が,例年唐津くんちの時期にはかなり冷え込む。くんち期間中は各所に仮設トイレが出来るが,それでも人出が多いとトイレを済ませるのに時間がかかることがある。私の場合は狙った撮影ポイントを確保するために一時間前から場所取りをした。一時間後に一番曳山の「赤獅子」がやって来て,14番曳山の「七宝丸」が通り終わるまでさらに一時間はかかるから,合計二時間寒空の下で待つことになる。水分の取りすぎには注意してトイレも済ませて万全の体制で曳山を待とう。
ときおり小雨が降ったりやんだり程度なら巡行は続けられると思いますが,断続的に雨が降るようなら中止されると思います。近年は曳山を修復出来る職人もほとんどいなくなり,曳山が傷むようなことは出来るだけ避けなければなりません。曳山によってはビニールシートがかけられてしまうので,撮影には不向きとなってしまいます。
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鯛と飛龍は撮影が難しい曳山である。理由は前後にヤマを揺するので撮影のタイミングが難しいのである。
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揺するテンポは一定しているのでタイミングを見計らいながら,失敗を見込んであらかじめ多めの枚数を撮影しておこう。
とココまで書いてもう一度くんちの写真を見直していると,鯱も前後に揺すろうと思えば揺すれるようだが巡行中に揺すっている場面を私は見たことが無いように思う。
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基本的に曳山を曳くことが出来るのは「町内の人だけ」です。曳山を所有している町内に知人がいればお願いすることで曳けるかもしれませんが(実際はそういう人が大多数なのですけど),そうでなければほぼ無理でしょう。また「女性は中学生までしかヤマを曳けない町」や「女性がヤマを曳くことは全面的に禁止されている町」もあります。またヤマを曳くための衣装は「必ず自前でそろえること」になっています。他の人から借りることは禁止されています。一式そろえれば十万円以上するそうです(小さな子供ははっぴと鉢巻くらいなのでもっと安く済むと思います)。衣装を購入できるお店も限られています。またくんち期間中だけ曳くというのも無理のようで,年間を通じて研修会へ出席して指導を受けることが必要なようです。
※2024年追記 | 近年は自前で衣装を揃えなくても、数万円払って衣装の貸し出しをする町もあるようです。ただし何度も研修会に参加することは義務付けられますし、誓約書を提出する必要もあるみたいです(研修会に連絡なしに欠席したり、指導に従わない等の場合はくんちへの参加が禁止されます)一方で、個人名義の口座に入金を指示する町もあるようで問題だと感じます(適正な運営方法へ改善する必要があります) |