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2003年3月 夜十時頃に帰宅して郵便ポストを見る。すると骨髄バンクからの郵便物が届いていた。いよいよ召集令状が来たのかなと思いながら家に入って封を切る。中に入っていたのは骨髄バンクニュースという広報紙だった。私が骨髄バンクにドナー登録して五年が経つ。以前から骨髄バンクに関心があったが、まず何から始めれば良いのか分からず、ずっと手つかずのままだった。しかし人間ドックの検診に訪れた唐津赤十字病院の待合室でドナー登録の小冊子を見つけ持って帰った。それによると唐津保健所で毎週木曜日に登録が行われるというので、事前に電話予約をして訪れた。 まず骨髄移植の手順をまとめたビデオを見せられた後、担当者からも十分な説明が行われて同意書にサインをする。その後採血が行われてドナーカードを渡された。 それから五年間、まだドナーになったことは無いが、いつ「骨髄の型が一致する患者が見つかったので精密検査を受診してほしい」という連絡があるか分からない。 骨髄移植は、しばしば白血病の治療として行われる。最近では格闘技K‐1のアンディ・フグ選手が急性白血病で亡くなったのが記憶に新しい。私と同じ年代では女優の夏目雅子さんが記憶に残っているだろう。二人とも亡くなるほんの少し前までは元気そのものだったが、しばらく姿を見かけないなと思っていたら突然の訃報が報じられた。 現在、白血病の有効な治療法は骨髄移植しかない。そのため白血病になった患者は、まず骨髄の型が一致するドナーを見つけなければならない。しかし親子間では一致することはほとんどなく兄弟姉妹でさえ一致する確率は四分の一、全くの他人の場合は数百分の一から数万分の一という低さである。近親者にドナーが見つかれば良いが、そうでなければ登録されているドナーの中から見つけるしかない。しかし現在登録されているドナー数では型が一致する人を見つけられずに亡くなってしまう人も多い。我が子が白血病となった親が、ドナーが見つからないために何も出来ずに我が子の死を看取るのはどれだけ無念なことかと思う。 さて私に召集令状(移植のための精密検査受診の依頼)が来るのはいつのことだろう。もし私の骨髄提供が最後の望みとなる人がいるなら協力するつもりである。あなたも命を救うためにドナーになりませんか?(ただしドナー登録は二十~五十才)。ドナー登録することに不安のある人は募金だけでも良い。連絡先は http://www.jmdp.or.jp またはフリーダイヤル0120‐445‐445 まで。
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